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植物性乳酸菌と動物性乳酸菌ってどう違う?

2021年10月8日

ヨーグルトと言えば、乳酸菌!

 

そもそも、乳酸菌とは、発酵によって糖から乳酸をつくる能力をもつ微生物の総称です。

腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えます。人体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれます。

 

乳酸菌というと、「乳」が付くので、なんとなく牛乳由来って思いがちですが、発酵食品(ヨーグルト・チーズ・漬物など)や植物、ヒト・動物の腸だけにとどまらず、さらに海洋環境など、地上の多様な場所に生育しているそうです。

 

その乳酸菌が、見つかった場所(住んでた場所)によって、「植物性乳酸菌」や「動物性乳酸菌」に分けて呼ばれ、一般的に認識されています。

 

「植物性乳酸菌」は、味噌や醤油、漬物のような野菜発酵物、植物などから見つかった乳酸菌。

 

「動物性乳酸菌」は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、動物の腸や糞便から見つかった乳酸菌。人由来の乳酸菌もこちらに分類されます。

 

と分けられますね。

 

これらの違いを比べてみました

■「植物性乳酸菌」■
1. 生存環境→栄養があまりないような場所でも生息可能
2. 胃酸への強さ→胃酸に強く、生きたまま腸へ届きやすいといわれている
3. エサになるもの→ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖
4. 食品例→漬物、味噌、醤油、酒
5. 食塩の影響→高濃度でも生息できる
6. 生息場所→植物(塩分のあるものに含まれていることが多い)

野菜など比較的栄養が少ない環境で生育していた乳酸菌です。

 

たとえば漬物に住んでいた場合、栄養が乏しいだけでなく、高い塩分濃度、低いpH(酸性環境)、ものによっては低温という強いストレスにさらされます。

 

そのため、過酷な環境でも生き抜けるよう様々な「耐性」を獲得して、環境に適応しています。

 

このような乳酸菌は、私たちに食べられた後も胃酸や胆汁酸に耐え、生きて腸までたどり着くことが期待できます。

 

■「動物性乳酸菌」■
1. 生存環境→栄養が豊富な乳などの中に生息
2. 胃酸への強さ→胃酸に弱く、生きたまま腸へ届きにくいといわれている
3. エサになるもの→乳糖
4. 食品例→ヨーグルト、チーズ
5. 食塩の影響→生息できない
6. 生息場所→乳製品など

「乳」などの栄養が豊富な環境で生育しており、その多くが限られた温度やpH条件でしか増殖しない乳酸菌です。

 

ヒト由来の乳酸菌は、生きて腸に届けば定着しやすいと考えられますが、多くが胃酸で死んでしまうといわれています。

 

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌を比べると、生きたまま腸まで届きやすいのが、植物性乳酸菌と言えますね。

 

生きたままの乳酸菌は「生菌」プロバイオティクスとも呼ばれます。

 

死んだ乳酸菌は「死菌」バイオジェニックスとも呼ばれます。

 

細菌よく「プロバイオティクス」という言葉をよく耳にしませんか?

 

このプロバイオティクスとは、「生菌」

 

生菌の一部は生きたまま腸に届き、腸内環境を整える役割をします。

 

生菌の一部は胃酸などによって、死滅すると言われていますが、死滅しても善玉菌の餌になることは知られています。

 

死んだ乳酸菌にも、腸内環境を整える役割があるものあり、菌によっては、菌によっては生きている時より、効果が高くなる種類もあるようです。

 

とはいえ、「乳酸菌」自体は、動物性でも植物性でもなく、あくまで「細菌」に過ぎず、同じ菌種でも、植物性、動物性、どちらからも見つかることもあるのです。

 

こう言ってしまうと、元も子もない気もしますが・・・・

 

何種類もの乳酸菌を継続してとるということが善玉菌を増やして腸内環境を整えることに繋がります。

 

日本人には、古くからお味噌汁やお漬物、や調味料でも発酵食品がとれるわけで、日本人の腸に合ったものが日常の食として毎日摂られてきたのも、理にかなってますね。

 

 

そういった意味でも、日本では、古くから植物性乳酸菌をとってきました。

 

昔の人は風土によって自分たちにあった乳酸菌をとる習慣がついていたのでしょうね。

 

調べてて、面白かったのが、過酷な状況でも生き残る植物性乳酸菌を、野生児乳酸菌。

 

胃酸に弱い動物性乳酸菌を、お坊ちゃま乳酸菌と書かれてたのが、納得でした

 

あれこれ書きましたが、結局、この表現が分かりやすいかもですね

 

 

植物性乳酸菌は、生きたまま腸に届きやすい、野生児乳酸菌。

 

動物性乳酸菌は、生きたまま腸に届きにくい、お坊ちゃま乳酸菌。

 

覚えておくと、いいかもです。

 

特に試験には出ませんけどね(笑)

 

 

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